たて座uy星とは
たて座UY星(UY Scuti、たてざUYせい)はたて座にある赤色超巨星でSRC型の脈動変光星。太陽系から約5,100光年の距離にあるとされる
2010年代には、太陽系から約9,500光年の距離にあると考えられ、太陽の約1,700倍の半径を持つ「既知の恒星の中で最も大きな星」と見なされていた。しかしその後の観測によって距離が大きく修正されており、半径もより小さいものとされている。
特徴
2015年時点のデータを基に作成された、太陽系の惑星、主な恒星、たて座UY星の比較:
- 水星 < 火星 < 金星 < 地球
- 地球 < 海王星 < 天王星 < 土星 < 木星
- 木星 < プロキシマ・ケンタウリ < 太陽 < シリウス
- シリウス < ポルックス < アークトゥルス < アルデバラン
- アルデバラン < リゲル < アンタレス < ベテルギウス
- ベテルギウス < おおいぬ座VY星 < はくちょう座V1489星 < たて座UY星.
688日[1]または740日[2]の周期で変光するとされる半規則型変光星である。
2012年夏、チリのアタカマ砂漠にある超大型望遠鏡VLTのAMBER近赤外線干渉計を使い、銀河系の中心付近に存在する3つの赤色超巨星(たて座UY星、 さそり座AH星、いて座KW星)を観測した結果から、これらの恒星がいずれも太陽の1,000倍以上の半径を持つとする研究結果が発表された[5]。中でも、たて座UY星は太陽半径 (R☉) の1,708 ± 192倍の半径を持つとされ、この時点で既知の恒星の中で最大の半径を持つ恒星とされた[5]。
しかし2018年に公開されたガイア計画の第2回公開データによれば、たて座UY星と太陽系の距離は約5,100光年となり、これまでヒッパルコス衛星の観測データから計算されていた約9,500光年よりも60%近く縮小された。この距離と2012年に観測された視直径を基に再計算すると、たて座UY星の半径は約755 R☉となり[4]、既知の恒星で最も大きい星ではないこととなる。
たて座UY星には伴星が発見されていないため、重力相互作用によって質量を測定することができないため、その質量は正確に求められていない。